もう弟なんてやめてやる。
「……えて。消えてよ…!」


すると、

明石さんの手が伸びてきて
あたしの髪をグイッと引っ張った。



「痛っ!」

「居なくなってよ!陸くんの前から、この世から居なくなって!」



髪と一緒に頭皮が引っ張られて
痛みで顔が歪む。

目に、涙が滲んだ。



────陸…っ!!


そうギュッと目を瞑った瞬間、



「ちょ、あんた何してんの!?」

「!?」

「…穂乃華ちゃん?」



穂乃華ちゃんが明石さんを
突き飛ばして。

あたしの髪が解放された。


何で、穂乃華ちゃんが
ここに…?



「雫、大丈夫か!?」

「…幸くん」


幸くんまで、

どうして…?
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