もう弟なんてやめてやる。
「陸のおかげでさっき課題の提出出来たよ!ありがとうね」

「あ、ちゃんと提出したの?なら良かった」

「何々、雫また課題?」

「…幸くんも馬鹿にしてるでしょ」

「だって馬鹿じゃん」



飯田に言われた一言に
雫の大きな目が見開く。

きっと昨日俺が言った台詞と同じだって
驚いてるんだ。


雫の考えてることは
手に取るようにわかる。



「飯田、あんまり雫イジメないでくれる?それ俺の特権だから」

「は?」

「……特権って何?」

「雫は知らなくていいの」



俺がそう言うと
ムッとした顔で俺を睨みつける雫。

…怖くないけどね。


むしろそんな顔も可愛くて
笑みが零れる。

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