もう弟なんてやめてやる。
父親の表情に
陸が何かを察して。



「や、めろ……!」


陸が父親へ腕を伸ばした瞬間、


パンッ…と高い音が鳴り響く。



シ…ンと静まり返ったリビング。

何が起こったのか
把握するのに時間がかかった。


陸の視界に、


─────頬を押さえた、雫。


今…

雫に、何をした…?


全身の血が沸騰する。
ゆらりと陸の身体が動いた。



「な、にやってんだよ!」

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