わたしの日常 〜極普通な毎日〜

女優になるのは母さんの夢の一つだった。
モデルも夢だったが、一番なりたかったのは女優だった。

でも母さんは監督からの誘いを断ろうとしてた。

「ねぇ、なんで女優さんやらないの？お母さん、綺麗なのに。」
小3ぐらいの頃、母さんが仕事が休みで２人で遊んでた時、不意に聞いてみた。

「確かに女優さんやりたいよ。でもね、女優さんってモデルよりとてもお仕事が大変なの。だからまなかちゃんと過ごす時間が減ってしまうでしょう？まなかちゃんに寂しい思いはさせたくないわ。

それにね、モデルのお仕事もとても好きなの。だから断ろうかなって。」

その時の母さんの顔は小3だったあたしでも無理して笑ってることがわかった。

「お母さん。無理して笑わないでよ。本当はやりたいんだよね。女優さん。わたし寂しい思いなんてしないよ。お母さん言ってたでしょ？お母さんが仕事でまなかちゃんのそばにいなくてもまなかちゃんの心の中にお母さんがいるって。」
小さい頃母さんに何度も言われてきた言葉をそのまま伝えた。

あたしはどうしても母さんの夢を応援したかったから。