無口で冷たい俺のお姫様




ん?



笑ってる?



俺は顔を上げて麗子ちゃんを見る。




麗子ちゃんは口元を緩めて
軽く笑ってた。



『麗子ちゃん?』



『、、、しつこい人はわざと。』



『えっ?』



わざとって、どういう?




頭の中に疑問符だらけの俺。




『松浦君がどう反応するかなって、、、ちょっと、、、いじわる?』




『、、、じゃあ、しつこい人ってのは』



『しつこすぎるのは嫌だけど、松浦君のは大丈夫、、、かな』



なんて



また軽く微笑んでくる。



お、俺は特別ってこと?




麗子ちゃん。



そんなこと言うと、、、俺期待しちゃうよ?




口に出して言うと違う!!
なんて否定されかねないから言わないけど。




『それはよかった。じゃあ俺。今までどおり麗子ちゃんにアピールしまくらないとね』



『ほ、ほどほどに、、、ね』



やっぱりさ?




やっぱり。




麗子ちゃんと俺の関係。




変わってきてるんだよな?




麗子ちゃんが受け入れてくれるなんて



こんな日が来ることないと思ってた。




正直ね。




だけど今は可能性の文字が見えていて
麗子ちゃんの笑顔がすぐそばにある。



これって俺にとってすげぇ大きい一歩。



俺、彼氏になれるかもしんないっ。






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