無口で冷たい俺のお姫様




『麗子ちゃん!』




教室から出てきた麗子ちゃんを呼ぶ。


約束は守って叫ばずにね。




『松浦くん……なに?』




うんうん。



やっぱ今までの冷たさが無いよねこれ!



いける気しかしない。




『一緒に帰らない?』




『………誰と?』



『俺と』




数回、目をぱちくりさせた後
後ろにいた沢木と目をあわす。




沢木は




『あら、私は別に一人で帰れるから麗、相手してやりなさいよ』




なんて、俺はそんな扱いかよ。



『うーん。かえでがいいなら』




沢木のおかげっていうのはなんだか尺だか
まぁ今に始まったことじゃないしな


それに麗子ちゃんと帰れるなら
なんでもいい!



そこにプライドはありませんよ!




『よし、決まりっ!じゃあー帰ろぉ』



そう幸せな気分で帰ろうとした俺に




『ちょっと松浦くん!』



そう一言放ち。怒った表情で目の前に立つ
同じクラスの女子



『なに?』




俺は今すぐ麗子ちゃんとの二人きりを
楽しみたいんだが。




『なにじゃないでしょ。今日日直でしょ!日誌!松浦くんなんも仕事してないんだから書いて出しといてね!』




そうご立腹の女子は俺の胸に日誌を押し付け
帰って行ってしまった。




あれ俺今日日直なんだ?



っ、、、、て、日直!?



俺が?





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