無口で冷たい俺のお姫様



『あぁ、俺幸せ』




『…和俊がいつも以上にキモい』




『…なんだ春希喧嘩売ってんのか』



席に座るなり
相変わらずの口調で俺にそう言う。



『別に。どーせ久住のことだろ』



『お、聞きたいか?なら聞かせてやろう』



春希の“へー”“ふーん”
なんて適当な相づちなんか気にせず
俺はあった出来事を事細かに説明してやった。



説明というより
惚気のほうが近い気もするけど。



『どーだ。これ進歩だよなー』



『まぁ、少なからずは?』



『だよな!はぁ、彼氏になれる日も目前かなぁ』



『……まだ普通の友達関係なのかすら微妙だけどな』





最後の言葉は俺の優しさで聞かなかった
ことにしてやろう。



なんたって麗子ちゃんが挨拶してくれた
素晴らしい日だからな!




さて、次はどうやってもっと仲良くなろうか。



やっぱり放課後デートもありだよなぁ。


それかお昼一緒に誘ってみるか?




よし、とりあえず放課後帰るだけでも
誘ってみるべきだな!




一日中考えた結果、放課後に帰る約束をして
あわよくばデートに持っていく。


俺ってなんて天才。



そしてそして更に手なんか繋いじゃって



あーほんと俺ってば完璧だな。





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