姉さんの彼氏は吸血鬼 孝の苦労事件簿①

「……馬鹿じゃないの?

そんな人間、すぐ死んじゃうじゃない。

それなのに、……何でそんなに大事にするのよ。

答えろ、エリアル=エステバン!」

激情に伴い、セレナの瞳も赤くなる。

その時、セレナの頭巾が取れた。

茶色がかった長めの黒髪が、うねるように流れる。




「愛しているからさ」




エリアルは、ぼそりと答えた。
< 119 / 292 >

この作品をシェア

pagetop