姉さんの彼氏は吸血鬼 孝の苦労事件簿①
姉さんの言葉は、ぐさりと俺の胸に刺さった。

「居場所が無い」……姉さんは、自然にそう言った。


姉さんは恐らくは無意識に、
だけど確実に自分の事とエリアルを、重ね合わせていた。


結局、高校生になった姉さんに、戻っていたのは上辺の感情だけで、
心の中まで癒す事なんか、誰にも出来なかったのだ。

例え、三年かかっても。

……いや、この場合『たったの三年』か。




だけど、それに気付かないで、俺は単純に姉さんが元に戻ってきたと、
安心し切っていて、


……何て馬鹿だったんだろう……。


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