クローバー
次の日も夜明けと一緒に蓮華が丘にやってきた。

今日こそは絶対みつけてやる!

そう心に決めて眼をこらすが、お目当てものはちっとも出てこない。

気持ちばかり焦って、クローバーをむしりあげたくなるのを、ぐっとこらえる。

ユリのためだ。

絶対に見つけるんだ。

僕は自分を励ましながら、再び四つんばいになる。



しかし結局その日も、四つ葉のクローバーを見つけることはできなかった。



だから、僕は誰にも言わず月曜日も蓮華が丘に向かった。

ランドセルを背負ったまま。





その日はやけに暑かった。

太陽がぎらぎら降り注ぎ、僕の体に照りつける。

目の前がかすむ。

だめだ、こんなふうにかすんでいたら四つ葉のクローバーを見つけることなんかできないよ。

僕は目をこすりながら、四つんばいになって探す。




――すると…。



「あった!!!」



ハート型の緑色の葉が順序良く四つ並んでいるクローバーが。



僕の右手が四つ葉のクローバーをしっかりつかんでいた。




ユリ、ごめんね。

僕やきもち妬いたんだ。

でも、ほら。

ちゃんと四つ葉のクローバー見つけたからさ、ユリにあげるよ。

これで、きっと大丈夫。

うまくいくよ。



ユリの手術もきっとうまく行く。



奇跡は起こるんだ。
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