【完】ズルい瞳[短編]
好き…これも迷惑ですか?
「ねぇ、あおい。あんた3年生になってからというものの、日に日にやつれていってるように見えるのは私の見間違いかね?」
昼休み、お弁当をつつきながら心配そうに美佳が呟く。
「そ、そうかなぁ。そうでもないと思うけど」
とは言ったものの、既にお弁当を完食している美佳とは対照的に
私はまだ半分も食べ終えていない。
「ねぇ。クラス委員の仕事、大変なんじゃないの?城崎、何だかんだ言っては……あおいのことすぐ呼び出すじゃん」
「あ、あれは……先生まだ赴任してきたばかりで資料の場所がよくわからないみたいだから、仕方ないよ」
美佳に変に悟られないよう、私は食欲も無いのに無理矢理ご飯を口に運んだ。
あの始業式の日。
“お前のこと生徒としてしか見れないから”
そう言って、蒼ちゃんは資料室を静かに出て行ってしまった。
残された私は
溢れそうになる涙を必死で堪え、落ちた資料の整理を終わらせた。
それきり蒼ちゃんとは、まともに話してない。
ノートの提出や授業の準備などはあっても
“教師と生徒”
そのバランスを崩すことは決して無かった。