【完】ズルい瞳[短編]
激動の文化祭を終え
「いやぁ~みんな、お疲れさん!」
思った以上の大盛況で、私達のクラスは見事グランプリを受賞したけど
「しかし、明日は筋肉痛で動けんかもな」
その対価となる犠牲も大きかったワケで。
結局、この2日間に私がオモテ舞台に馳せ参じたのは
たったの1回。
それも身内である信之介くんの
もはや執念の引きだった。
だけど、その直後に信之介くんのご指名が入り
私の実働時間は……なんと、たったの数十秒(笑)
後から調べたら
“村瀬あおい くじ”が1枚に対して
“藤堂信之介 くじ”は、30枚も入っていたことが判明。
「バカだ……俺」
最後まで自分の責任と信じて疑わなかった信之介くんが
少し不憫に思えたけど。
「まぁ何にしろ、このクラスに優勝をもたらしてくれたのは信之介、お前のおかげだ」
「せ、先生……」
「気持ち悪い・帰れ!などという厳しい風評にもめげず、超~変態並みの女装を見せてくれた信之介に皆、拍手だ」
「そんな言われよう、嬉しかねぇよ」
全員の拍手喝采の中、信之介くんは1人ふてくされていた。
私は………と、言うと
蒼ちゃんとの……
唇に今もまだ残る、この感触に……
戸惑いを隠せないでいた。