【完】ズルい瞳[短編]
「村瀬、お前はどうだ?」
「え……?私ですか?」
急に名前を呼ばれてアタフタとしてしまう。
「お前はやっぱり絵か?美大に行くんだもんな」
「あ……はい。でも」
「………でも?」
蒼ちゃんに何もかも、お見通しというのが悔しかった私は思わず
「でも本当に叶えたい夢は……誰にもナイショです」
思わせ振りなことを言って、それから静かに席についた。
すると
「おぉ!あおい姫、もしかして俺と同じ夢だったりしちゃったりなんか……」
信之介くんは瞳を輝かせてきたけど
「ち、違うからっ!」
それはキッパリハッキリと断言してあげた。
「ちぇ~」
と、口を尖らせている信之介くん越しに見えたのは
少しだけ淋しそうな瞳の蒼ちゃん。
「…………」
どうして、そんな瞳するの?