大好きな桜の木下で

桜。

公園の奥に、大きな桜の木があった。

そこで蘇った、家族でピクニックに行った記憶。

遊んだ記憶。

虐待も全て忘れて、懐かしい匂いに今まで溜め込んだ涙がこぼれる。



『前の生活に……………っ』


楽しかったな。あの頃は、家族みんなで桜の木下で遊んだっけ……………

いつからだろう、壊れ始めたのは。

私の目の前で繰り返される喧嘩

まだ小さかった私は、泣きながら見ることしかできなかった。

お父さんは、いつも私に言っていた。



『お父さんは、家族の味方。
だから、心配しなくていいんだよ。』

なのになんで置いて行ったんだろう。

待ってたのにいつまで立っても帰ってこなかったお父さん。

幸せだった日々はどんどん遠くなる一方で。

次第に友達関係も壊れて行った。

居場所はないのかな。

なんて、考えてた時もあった。

なぜか、それを満開の桜の香りが綺麗に流してくれている気がした。

暖かい日差し。

桜のいい香り

全てが包み込んで守ってくれているような気が……………。
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