俺様不器用男子の甘い愛情
次の日、かけ忘れた目覚ましのせいで朝練ギリギリ遅刻の時間に起きた。
6時か………ほんと間に合わねぇ!
ジャージを羽織った瞬間に、甘い匂いが俺を包んだ。
紛れもなく茉璃の匂い。
参ったなほんと。
茉璃のせいで寝坊したようなモンだし。
「遅れて登場ですか、部長サン」
「わりぃ、副部長サン」
「俺一人に部員70人もまとめろって無理あるからね!?隼世!」
「分かったって恭平!あーじゃあ、なんか奢るから」
「コーヒー牛乳でチャラね♪」
水溜まりがあるグラウンドを機嫌よく走る恭平。
コーヒー牛乳ねぇ~………。
茉璃と初めて関わった日のこと思い出すわ。
「隼世先輩おはようございます!」
「はよ、璃玖」
「朝練遅刻なんて珍しいですね。まさか!女連れ込んで浮気とか!?」
「朝からシメられたいのかお前」
「冗談ですよ!だって、お姉ちゃんに一途でしょ?」
茉璃……璃玖に俺と別れたこと言ってない?
とりあえず、璃玖には頷いといた。
やっぱり有阪と付き合ったのは、何かしら理由あんの?
………今はサッカーに集中しよう。