俺様不器用男子の甘い愛情
言いにくいから小声でボソッと話した。
「こ、断ったよ……?」
その瞬間、叫びにも似た声で玄関中に玲菜の声が響き渡る。
「はぁ~!!?あのイケメン王子断ったの!?もったいなーい!」
「でも……あたしは好きな人いるから…」
「片思いから進展してないのに?それなら、あの人やめてさ…!」
「有阪くんが好きなの!」
まだ何か言いたげな玲菜は口を閉じた。
あたしが夏から片思いしてる有阪晃大(Arisaka Koudai)くんは、成績優秀者だけが認められる進学科の1年生で同い年。
あの時からずっと好きなのです。
放課後、課題提出で校内を走り回ってたあたし。
運動音痴のあたしが走り回ると、どうなるか?
階段を降りてる時に踏み外し、思いっきり転んだ。
「痛っ…!」
そんな時に手を差し伸べてくれたのが、バスケ部で活動中の有阪くん。
「大丈夫?念のため保健室行こっか」
「いやっ……だ、大丈夫です…」
「女の子なんだし、傷とか残ったら大変だよ。だから……ね?」