来い恋

不安と真実

柴田課長と別れてから、しばらくその場から動けなかった。
ポケットの中から亮輔さんからの着信音が鳴った。
私は我に返り、慌てて電話に出た。
「もしもし」
「お前何処にいるんだ？外商行くって出てってからもう１時間もたってるぞ。
頼みたい事があるからすぐ戻って来い」
「あっ！すみません。いますぐ戻ります。」
電話を切ろうとすると亮輔さんが小声で
「・・・まさか四宮につかまったとか？」
亮輔さんの心配してくれる声にうれしく思う気持ちと
柴田課長からの話で私の心は複雑な思いだった。
「・・・大丈夫です。柴田課長に捕まって雑用押しつけられてたんです。」
雑用なんて嘘だけど本当の事はさすがに今は言えなかった。


それから急いで事務所に戻り仕事を再会したが
柴田課長から聞いた話が気になりなかなか仕事に集中できないまま
その日の仕事を終えた。