【完】私と先生~私の初恋~
はぁ?っと思いながら男を見る。


私と歳がそう変わらなく見えるチャラい感じの男が、これまた物凄い笑顔で私に頭を下げた。


つられて私も小さく頭を下げる。


「あー娘さん!お母さんに似て美人ですねー!これならもう余裕でオッケーっすよ。」


母と男が楽しそうに笑った。


「…迎えって何?」


かったるく母に聞く。


「早苗のね、面接してくれるんだって~だから今から一緒に行ってきて~♪」


はぁ?っと声に出すと、すかさず男が会話に入ってくる。


「いや~お母さんとは昔っからの知り合いでね、早苗さん…でしたっけ?就職に失敗して困ってるって電話が来たもんだから。」


「そうそう~電話したの~♪」


「それならウチで働くのはどうかなぁ?って思って、ウチの店長に話してみたんっすよ。」


「そうそう~♪そしたらね~、じゃあ今日面接に来いって言ってくれたみたいで~」


母と男は楽しそうに話を続ける。


「そうなんすよ。だから今から一緒に来て、面接受けてください。店長待ってますから。」


何だか碌な予感がしない。


「…嫌です。」


私はキッパリ断った。


私がそう言うと、男はさっきまでの笑顔から一変、今度は物凄く険しい顔をした。


「…困るんすよねぇ来てくれないと。わざわざ店長まで待たせてますからねぇ。」


男がギロリとした目で、私と母を交互に見る。


母は焦った様に私に叫んだ。


「さっさと行って来ればいいの!早く用意して!」


行かなきゃ何だかエライ事になりそうだ…


私は諦めて頷いた。


直ぐに部屋に戻って制服から着替える。


下に戻るともうすでに男は消えていた。


「早く行って~外の車で待ってるって~」


私は母を無視して外に出ると、男が待っている車に乗った。
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