夜色の月と白色の月
「……はじめましてだね。君の名前、聞いてもいい?」

「イヴです、あなたは?」

「アダム」

「アダム、よろしくね」

「……うん」



はじめて交わした言葉。



神様からもらった名前と、色。



夜色の心は幸せでした。



「わたしは花がいっぱいの世界がいいなあ。アダムは、どんな世界がいい?」



神様からたくさんの花を教えてもらったと、白色の心はいいます。



「ぼくは――イヴが望む世界なら、なんだっていいよ」

「ふふ。アダムは優しいね」



白色の心の言葉はいつも夜色の心を、嬉しくします。



夜色の心は、とてもとても幸せでした。



< 6 / 15 >

この作品をシェア

pagetop