浅葱色に射す一筋の光
切腹&暗殺
  




 9月13日…総司の介錯により新見錦が切腹した。

彼は…物静かな人だった。けど、決して悪い人でもなかった。

最期に新見さんと話した時、こう言っていた…。

 『俺は…芹沢さんと契りを交わしてるんだ。組の為に死ぬことは…悔いていない。案ずるな…お前は良くやってくれた…後は頼む』


  ………………………………と。




私はまた…屋根で1人泣いたのだった。




  ーーーーーーーーーーーーーー



 9月18日…夜、角屋で会議が行われていた。
  その後、宴会となり…近藤・土方は芹沢にたらふく酒を呑ませていた…。


  私は土方にお酌を頼まれていたから、角屋で働いている人に遊女の格好にしてもらった。


翔「…………ぷっ…………ウケる……」


  翔は現代ではかなり美人で通っていたが…これは無理…カツラは重いし着物は重いし…まともに動けない。


  廊下を歩き、新撰組の部屋の前まで来て、女将さんが「お連れしました…」と、色っぽく言って襖を開けた。


ボンッ!


  一気に視線を向けられ羞恥で顔が真っ赤になった…。 脇汗ヤバッ!!!


  総司「っっっ!!! 凄い!!!」


平助「…………………………………」


  新八「上玉だ~」


  左之「…脱がしてぇ…」


  土方「…化けたもんだな…」ふっ!


芹沢「早く来い。じゃじゃ馬!!酌を頼む」


  近藤「…美しい…」


  山南「馬子にも衣装…」 


 私も覚悟を決め、今日は遊女になりきろうと、足を一歩出した…


  着物が重いのと窮屈なので思うように足が上がらなかった…。


敷居に躓き、頭の重みでつんのめった。


 スポンッッッ!!   コロコロコロコロ…


全員「ぶ~~~~~~~~~~!!!」


   皆…酒を噴き出した… 

   カツラ…転がっちゃったね…。



 翔「…………………………………」




ただ…ひたすらカツラを見つめている翔。




  女将さんは無言でカツラを取り、


      パコッ! パンパン


翔の頭に乗っけた。最後、叩いたよね?


何事も無かったように微笑み、正座をし


     ごあいさつ…


翔「優輝と申しま…あ…」ポロ コロン


  
全員「ぶ~~~~~~~~~~!!!」



  もぅね、一度外れたら取れやすくなっちゃったね。もともと翔の頭に対してデカすぎたカツラだったから気を付けるように言われてたんだけどね…。


  女将さんはまた無言で被せ、私の頭をおさえて起き上がらせた。


 女将さん「…もぅ頭下げんといてや」
コソッと悪態つかれた。


平助「ぶっっっ!ズレてる…ズレてる!」


  生え際から私の髪の毛出てるらしく


    平助はカツラを押し込んだ。


土方「……お前は期待を裏切らねぇな」


  翔「喜んでもらえて光栄です…」


  総司に至っては畳に寝っ転がって笑い死にしそうな程…ゲラゲラゲラゲラ笑ってるしね…。


 左之や新八も指差して笑ってるし…


  近藤さんと芹沢、山南さん、斎藤は下向いて肩震えてるし…




 土方……そんなにおかしいかい?




     涙ちょもれてるぞ?
  
  



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