浅葱色に射す一筋の光




   その頃、翔は…

    ?「起きたがか?」

    「…え~っと…此処は…」

  ?「此処は四国屋じゃ。おんし…まっこと美しい…名は何と言う?

   何故怪我をしちゅう?

何故オナゴなのに着流し着ちゅうがか?」


 「私は…優輝菜です。私は………」


 自分の事を話そうにも…何も…思い出せず


  目を見開いたまま固まった…



    「私はっ!」


    ?「ん?」



「私はっ!……………誰ですかね…」



    ?「記憶が…ない…?」

「小さい時の記憶とかはあるんですけど……あ……!あなたは!」


    ?「龍馬じゃ…」



「坂本…龍馬?そっくりさんっっ!!」



  龍馬「此処は京じゃ。儂の名を良く知ってるのぉ」


 優輝菜「ここは藤沢ですよね?」


  龍馬「…ふじさわ?ちくと儂には分からんが…体が癒えるまで此処にいればいいが…」


  優輝菜「…ありがとうございます。龍馬擬き…お世話になります。私にナニかしたら殺します」


 龍馬「顔に似合わずおっかないが…」


  優輝菜「…ピストル…」


 龍馬「………………………………」


  優輝菜「持ってるよね?」


  龍馬「な…何言うとるか…」


  優輝菜「幾らで売ってくれる?高杉晋作から貰ったんだよね~?」


    龍馬「…何故知ゆう…」


   優輝菜「勉強したから…?」


      龍馬「は?」


  優輝菜「歴史の授業で幕末も維新も習うし…龍馬擬き…この時代で坂本龍馬を知らない人はいないでしょう?頭大丈夫?


  お前ねぇ……モノマネするならさぁ、


 ちゃんとその人のこと学んでからやりなよね~~~?」


   龍馬「失礼なオナゴじゃ…」



  優輝菜「…助けて頂いて有り難いのですが…あまり変な人なら…逃げますから…」



  龍馬「…何じゃ…逃げる?その体で町彷徨いても殺されるだけや…新撰組に…」




 優輝菜「…新撰組?」っっっ!!!

  


 
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