浅葱色に射す一筋の光
薩長同盟





    慶応二年 一月二十二日

   
     薩長同盟が結ばれた


  それに伴い、新選組も薩摩に付き、

  新政府軍として扱われることになった…

 
  そして、新選組は桂さんからの命で

   西本願寺への屯所移転となった…

  
  年号や成り行きは違っているのに、

      歴史を辿っていた…

  
  優輝菜「……………………………………」


  土方「漸く広い所に移れるな…

     それに町にも近くなるし、

    良かったじゃねぇか………」


      優輝菜「うん」


  土方「あまり嬉しそうじゃねぇな…」


  優輝菜「山南さんの所に行ってくる」


     土方「お~い?どうした」


 優輝菜「後で話す!ちょっと行ってくる」


     バタバタバタバタバタバタバタ


    土方「走るなっっっ!!!」


    優輝菜「山南さん!!!」


  山南「驚きますので…静かに…」


  優輝菜「スミマセン…あの!屯所移転…

       どう思いますか?」


    山南「まぁ、座りなさい」


     優輝菜「失礼します」


  山南「で…西本願寺移転の事ですね…

      私は良いと思いますよ?」


    優輝菜「でも…寺ですよ?」


  山南「しかし、西本願寺側からも

      懇意にして頂いてるし…」


 優輝菜「それは…山南敬助としてですか?

       総長としてですか?」

  山南「両方です。私の家とも

       近くなるんですよ」


     優輝菜「そうですか…」


    山南「何かあるんですね……」

  
  優輝菜「本当に喜んでいるのですか?」


       山南「はい」


   優輝菜「なら…私も嬉しいです」


     山南「話して下さい」

  優輝菜「経緯や年代は違うけど、

  西本願寺移転は…歴史通りなんです。

   山南さん一人だけ反対だったと

    言う史実があったので………」

  山南「そうなんですか…

     でも今回は全員一致ですよ」


  優輝菜「良かった…じゃ、失礼します」


  本来なら山南はもうこの世にいない…


  これからの山南は…白紙なのだ…


  部屋に戻り、土方にこの話をすると


   土方「そうか…良かったな!」


      あっさりしていた…。   


    そう……か…良かったのか…。

   


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