浅葱色に射す一筋の光






    土方「…翔…止まれ!!!」

  翔「…彼等を解放して下さい…副長!!」

  総司「ダメだッッッ!!!」

  翔「私が!…此方にいる場所を見つけたい!」

  平隊士「……………………………………」

  翔「…もぅ…此処までやらなくても…
    大丈夫ですか? 楠木さん…」

  楠木「……………………………………」

  翔「私のせいで…すいません。荒木田さんも…」

  そう。彼等は…

  御倉伊勢武、荒木田左馬之允、楠小十郎、後三郎、松井竜三郎、松永主計

  長州の間者と言われた人達…

   少し話をさせて下さい…。



  そう言うと、土方と総司は蔵から出た。




  翔「……あなたの志は……?」

  楠木「…馬鹿にすんなっっっ!!」

  翔「………長州は勝ちます……」

     楠木「っっっ!!!」

  翔「……幕府は長州の手によって落ちます…」

   荒木田「……貴様…長州のもんか?」

  翔「いえ…壬生浪士組のもんです。
   あなた達の志は…届きます。
   私は…あなた方の事…言うつもりはないけど…直に暴かれる…。」

    楠木「お前…何者だ!!!」

  翔「……私の素性を教えたら桂さんに言うよね? それとも高杉晋作? 吉田栄太郎?」

    楠木「っっっ!!!」

  翔「…長州は…間違ってない…ただ…遣り方を間違えた…間者になるなら…壬生浪士組もろとも長州に引き込むくらいの事してよ!」

  荒木田「…先が…見えるのか…?」

  翔「それもまた違う……この組の殆どは…死ぬよ?幹部は…殆ど…。近藤さんも…」

  楠木「…何故言うんだ…お前等が不利になるようなことを…」

  翔「あんた達にも…死んで欲しくないから…」

     間者「っっっ!!!」 


  楠木「俺は…その事…言わなければならない…」

  翔「いや…言わないよ…」

  楠木「何故分かる!!」

  翔「私を信用してないから…あと…誰も信じないよ?」

    楠木「…………………………」

  翔「私は壬生浪士組が大好きです。彼等の為に死ぬつもりです。でもそちら側にも生きて欲しい人がいるのも事実」

    
     楠木「…誰だ!」


  翔「あなた達。そして吉田、久坂、高杉、…誰よりも…坂本竜馬…」


    間者「っっっ!!!」


  翔「ごめんなさい…痛かったでしょ?」


     と、楠木の頬を触る。。。

  

  

< 88 / 407 >

この作品をシェア

pagetop