彼はお笑い芸人さん
“菜々ちゃんがオフィスラブに誘惑されてないか、すげー心配。アメリカ帰りのイケメン俺様エリート(次期社長)が直属の上司になったりとか。わざと残業させて手伝って役得とか、そういう奴いない?”
ずっと前に、透琉くんが茶目っ気たっぷりに語っていた、オフィスラブのイメージだ。
「わざと残業させて」どころか、私がさせてしまっているのだけれど、「アメリカ帰りで次期社長候補の直属の上司」というのが、英課長に驚くほど当てはまっている。
イケメン俺様エリート――うん、「俺様」ではないとしても、イケメンエリートには違いない。
精悍な顔立ちに、こざっぱりとしていて清潔感がある。
スーツの上着を脱いで、ワイシャツにネクタイ姿も、さまになってるし。
ぼんやりと課長を眺めながら、溢れるように思い出してくるのは、透琉くんのことだ。
大切で、開けられない宝箱の中に、閉じ込めていた記憶が次々と出てくる。
嫌だ、出てこないで。
“菜々ちゃんがオフィスラブに誘惑されてないか、すげー心配”
“菜々ちゃんは俺を見てて、俺は見れないって、なんか不公平じゃん。会ったときに、どれだけ俺が菜々ちゃんを欲してるか、ちゃんと分かってる?”
「どうかしたか?」
課長に声をかけられて、はっと我に帰った。
「あ、いえっ……」
時々起きる発作。
透琉くんとの想い出に胸が押しつぶされそうになっては、その大切さを噛みしめて、宝箱にしまい直す。この一年、何度もそれを繰り返しては、宝箱の蓋を頑丈にしてきた。
ちょっとやそっとでは開かないように。
笑ってテレビが観られるように。
ずっと前に、透琉くんが茶目っ気たっぷりに語っていた、オフィスラブのイメージだ。
「わざと残業させて」どころか、私がさせてしまっているのだけれど、「アメリカ帰りで次期社長候補の直属の上司」というのが、英課長に驚くほど当てはまっている。
イケメン俺様エリート――うん、「俺様」ではないとしても、イケメンエリートには違いない。
精悍な顔立ちに、こざっぱりとしていて清潔感がある。
スーツの上着を脱いで、ワイシャツにネクタイ姿も、さまになってるし。
ぼんやりと課長を眺めながら、溢れるように思い出してくるのは、透琉くんのことだ。
大切で、開けられない宝箱の中に、閉じ込めていた記憶が次々と出てくる。
嫌だ、出てこないで。
“菜々ちゃんがオフィスラブに誘惑されてないか、すげー心配”
“菜々ちゃんは俺を見てて、俺は見れないって、なんか不公平じゃん。会ったときに、どれだけ俺が菜々ちゃんを欲してるか、ちゃんと分かってる?”
「どうかしたか?」
課長に声をかけられて、はっと我に帰った。
「あ、いえっ……」
時々起きる発作。
透琉くんとの想い出に胸が押しつぶされそうになっては、その大切さを噛みしめて、宝箱にしまい直す。この一年、何度もそれを繰り返しては、宝箱の蓋を頑丈にしてきた。
ちょっとやそっとでは開かないように。
笑ってテレビが観られるように。