先生×私Ⅱ~隣の部屋の王子様~
「じゃ、そーゆーことで……か、解散。」
ザワザワと教室が賑やかになる。
詩穂が私のところに駆け寄ってきた。
「菜月ぃ!よかったねぇ!今年も!
やっぱ、先生と赤い糸で結ばれてんだよ!」
赤い糸ねぇ…………。
「あ!そーいえばもうすぐじゃん!
今年はお祝いしなよ??」
「へ?」
「え?何も知らないの?」
「な、なんのこと…………?」
「はぁ…………。」
ため息?!
「何かあるの??」
「……彼氏の誕生日くらい知っときなさいよ。」
「え??」
「え?じゃないでしょ!
4月28日!先生の誕生日でしょーが!」
「ま、まじ??」
「……ホントに何も知らなかったのね……」
「うん……。」
そーいえば。
誕生日きーてなかった。
「ってか、なんで詩穂は知ってるの?」
「え?あぁ、この前可奈子たちが言ってたのよ。」
可奈子 というのは大城財閥のお嬢様。
私達の通うこの大城高校の理事長の娘。
そして、熱烈な啓太ファン。
常に啓太のこと追っかけてるグループのリーダー。
「あぁ、可奈子ね…………。どっからそんな情報得てるのよ……(笑)」
「まったく……彼女なんだから!しっかりしなさいよ?!」
「う、うん……?!
今日って……何日?」
「今日は21日よー?」
「え、あと一週間?!
どーしよ………………。
詩穂っ!プレゼント選ぶの手伝ってぇ!」
「はい、はい。(笑) んじゃ、今から行く?」
「うんっ!!」