解けない恋の魔法
 もしかして、私が見ていた人と宮田さんが合図している人は違うかもしれない。

 そう思ったのに……
 宮田さんの声と合図に気づいてこちらに近づいてくる人は、スラリとした長身のイケメンで、偶然にも私の視線の先にいた人と同じだった。

「お知り合い……ですか?」

 そっと宮田さんにそう尋ねると、笑顔で「うん」と首を縦に振る。

「昴樹くん、久しぶり!」

「うん、久しぶりだなぁ! 岳に会えるなんて思わなかった」

「なんかカッコよくなってんじゃん。ワックスで髪遊ばせてるし」

「なに言ってんだよ、岳のほうがよっぽどイケメンのくせに」

 久しぶりに会ったらしい二人は、再会で満面の笑顔になっていた。

「まだ最上さんのとこで働いてんの?」

「うん。まぁね」

「独立すればいいのに。昴樹くんは絶対すごいデザイナーになれるはずだよ」

「そうかな?」

 そんな仲良さそうな会話をする二人を微笑ましく思いながらも、私は『岳』と呼ばれた男性の顔をじっと見つめてしまった。

 だって、本当によく似てるから ――――






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