解けない恋の魔法

「僕が、最上梨子です」

 数秒間、ふたりの間に沈黙が流れる。
 意味がわからないどころか、自分の耳を疑った。

「あの……それってどういう……?」

「そのままの意味ですよ。さっきは僕と最上が別人みたいな言い方をしてごめんなさい」

「う、うそですよ!」

 えっと……宮田さんは実は最上梨子で、ふたりいると思っていた人物が、実は同一人物だった?
 いや、いやいやいやいやいや。

< 22 / 280 >

この作品をシェア

pagetop