解けない恋の魔法
「秘密は守ります。約束ですから。だけど、どうしてここまでして素性を隠そうとするんですか?」
素朴な疑問だった。
逆に言うと、最上梨子ではなく宮田昴樹という男の素性になにか問題があるから隠したいのかと勘ぐってしまう。
「話は単純。僕はメディアが嫌いだから。取材とか受けて取り沙汰されたくない。デザインを評価してもらえるのは嬉しいけど、僕個人がどうとか関係ないことをネットに書かれたくはないしね」
「……そうですか」
「朝日奈さんだって、さっき僕が雑誌のことを言ったら恥ずかしそうにしてたからわかるでしょ?」
「あっ、あれは……」
そこを突っ込まれるとなにも言えなくなる。
私が受けた取材も和やかには行われたが、あれやこれやと仕事と関係のないようなことまで聞かれて困った記憶がよみがえってきた。
デザイナーなんていう芸術肌の人は、そういうことが嫌いなのかもしれない。
素朴な疑問だった。
逆に言うと、最上梨子ではなく宮田昴樹という男の素性になにか問題があるから隠したいのかと勘ぐってしまう。
「話は単純。僕はメディアが嫌いだから。取材とか受けて取り沙汰されたくない。デザインを評価してもらえるのは嬉しいけど、僕個人がどうとか関係ないことをネットに書かれたくはないしね」
「……そうですか」
「朝日奈さんだって、さっき僕が雑誌のことを言ったら恥ずかしそうにしてたからわかるでしょ?」
「あっ、あれは……」
そこを突っ込まれるとなにも言えなくなる。
私が受けた取材も和やかには行われたが、あれやこれやと仕事と関係のないようなことまで聞かれて困った記憶がよみがえってきた。
デザイナーなんていう芸術肌の人は、そういうことが嫌いなのかもしれない。