解けない恋の魔法
エレベーターで企画部のフロアに到着すると、先に宮田さんを会議室へと通して袴田部長を呼びに行く。
私がコーヒーを三つお盆に乗せて部屋に入ると、ふたりが立ってお決まりの挨拶をしているところだった。
「わざわざご足労いただいて恐縮です」
「いえいえ。こちらこそ最上本人じゃなく私が代理で訪れる非礼をお許しください」
「早速ですが、デザインが出来たとかで……?」
「はい」
袴田部長もどんなデザインなのか気になっているのだろう。
ワクワクしているような笑顔を私たちに見せる。
「朝日奈、お前はもう見たんだろう?」
「はい。部長も今からド肝を抜かれますよ」
「お前……客人の前で“ド肝”って……」
「あ、すみません」
いけない、いけない。
普段の口調からなにかボロが出ることもあるんだから、この際私は極力黙っていよう。
「では袴田さんもご覧いだだけますか」
先ほどと同じように、宮田さんが書類ケースからデザイン画の描かれたケント紙を取り出して部長の前に差し出す。
それを一目見た部長は、一瞬で目を丸くして驚いた様子だった。
私がコーヒーを三つお盆に乗せて部屋に入ると、ふたりが立ってお決まりの挨拶をしているところだった。
「わざわざご足労いただいて恐縮です」
「いえいえ。こちらこそ最上本人じゃなく私が代理で訪れる非礼をお許しください」
「早速ですが、デザインが出来たとかで……?」
「はい」
袴田部長もどんなデザインなのか気になっているのだろう。
ワクワクしているような笑顔を私たちに見せる。
「朝日奈、お前はもう見たんだろう?」
「はい。部長も今からド肝を抜かれますよ」
「お前……客人の前で“ド肝”って……」
「あ、すみません」
いけない、いけない。
普段の口調からなにかボロが出ることもあるんだから、この際私は極力黙っていよう。
「では袴田さんもご覧いだだけますか」
先ほどと同じように、宮田さんが書類ケースからデザイン画の描かれたケント紙を取り出して部長の前に差し出す。
それを一目見た部長は、一瞬で目を丸くして驚いた様子だった。