解けない恋の魔法
「どうしたんですか? 顔が怖いですよ」
「だって気になるし、妬けるよ」
漆黒の瞳が、私を捕らえてじっと射貫く。
なんだか距離が近いのでは? と思ったときにはすでに、額にそっとキスをされていた。
「なっ…なにしてるんですか」
「あ、本当だ」
まるで今のは、自分ではない別人がしたことみたいに、宮田さんはあっけらかんとした表情で笑っていた。
冗談では済まされない行為でしょ、これは。
「なんか今ね、チュってしたくなったんだ。なんでだろうね」
なんでだろうね、って言われても、こっちが聞きたい。
「……あ、そうか」
彼は自問自答しつつ、なにか自分なりにその答えを見つけたようだ。