解けない恋の魔法
「僕は朝日奈さんが好きなのか……」
なんだ、そういうことか。
などと、納得したような顔をする宮田さんを前に、私は驚愕して言葉が出ない。
ただ宮田さんを見つめて、パチパチとまばたきを繰り返してしまう。
私は今、告白されたのだろうか。 宮田さんから?
ま、まさか。
だって宮田さんにとって私は、ただの仕事相手で。
ほかの女性と変わらない、からかって遊ぶだけの、なんてことはない存在のはずなのに……
「冗談……ですよね?」
だけど。宮田さんの唇が触れた額が、そこだけ熱を持って熱い。
どうしちゃったんだ、私……
というか、唐突になんてことをしてくれるんだ!
「本気だけど?」
宮田さんは、外見は大人で、スマートで。
普段あんなふうに喋らなければ、キリっとしたイケメンの部類の男性だ。
いつもイタズラっ子みたいに、にこっと笑うのに……。
今はその笑顔が消えていて、キリっとした部分だけが突出してしまっている。
それは……男性のフェロモンなのか。