空とシャボンとさくらんぼ
シャボン玉




今日もあがってるなー……



中学三年、受験真っ只中のあたし。


ただいま見事に夏休みですが補習中。


それは何故か……


それはあたしが馬鹿だから。


あと受験生だから……かな?




話を戻すと、補習は面倒なのであたしは窓から空を眺めていた。


気づいたのは三日前……











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暑いぃ………


この学校にもクーラーつけてくれればいいのになぁ。



先生の授業を聞く集中力もないよ。


もともとないけどね。



あたしはなんとなく、外を見てみた。


窓際だからたまに涼しい風が吹いてくる。


その代わり日射しはキツイけど。



青い空がいっぱいに広がっていて鳥が気持ちよさそうに飛んでいた。



いいなぁ……勉強なんてするよりあたしも飛びたいよぉ。



「ん?」



何、あれ…?



青い空にぷかぷかと昇っていくキラキラとしたもの。


……シャボン玉?



シャボン玉はたくさんあがっては消えていった。



綺麗だなー……










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それからは、一日に一回ぐらいでシャボン玉があがっているのを見た。



それが補習中のあたしの癒しになっていたりして。


心なしか涼しく感じるんだよね。


うん。風鈴効果みたいな?


すごいよね。




あれ、誰がとばしてるのかな……?



ぼーっとそんなことを考えながら眺めていたので、あたしは先生に呼ばれているのに気づかなかった。



「授業を真面目に聞け、宗田(ソウダ)!!」


「あたっ!」



先生の放ったチョークが見事にあたしのおでこに当たった。


さ、さすが弓道部顧問……恐るべし。



「うぅ……先生、痛い」


「ちゃんと話を聞かないからだ」



怒ったようにそう言って先生は授業を再開した。




だって、暑いんだもん……!!




はぁ、とため息をついてからあたしはノートを開いた。


またチョークを食らうのはさすがに嫌だったから。






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