彼の秘密と彼女の秘密

「ほなどうすんねん。毎日、弁当、ピザ、お好み焼き、ラーメン...」

「さすがに飽きましたねぇ...体にも悪いですし...」

「夕食だけでもきてもうらう家政婦は?」

「嫌です」

「じゃあお前が考えろやぁ...」

「......」

沈黙が流れる。

先にそれを破ったのは凛だった。

「では、嵐が料理教室とやらに行かれては?」

「なんで俺なんだ...」

「僕には才能がありませんから」

「そうやなぁ。お前の飯は人を殺せるもんなぁ」

「死にたくなったら言ってください。いつでも殺してさしあげますから」

「冗談に聞こえねぇ...」

「本気ですからねえ...」

凛がクスクス笑う。
< 14 / 254 >

この作品をシェア

pagetop