彼の秘密と彼女の秘密

嵐と初めて会ったのはいつだっただろう。
3つ?4つ?それくらいだろう。

父親に連れられてきた目つきが悪いその少年は、
僕が自分の家の中の者以外で初めて見る人間だった。

その子は”鞍馬 嵐”と名乗った。

どういう流れからか空手の試合になってしまい、
両者すごい攻防が繰り広げられ、引き分けに終わった。

悔しい。この子には負けたくない。
それから今まで以上に鍛錬をしてきたのだ。

嵐とは顔を合わせる度に所かまわず、喧嘩になった。

でも高校生の頃。

あいかわらず喧嘩していたら他校の生徒大勢に囲まれてしまったのだ。

「とりあえず休戦やな」

150人以上いた生徒はものの5分でなぎ倒される。

「もう仲直りをしましょうか」

「そうやな」

「でも体がなまるのは嫌ですからたまには手合わせ願いたいですね」

握手して仲直りをした。



そんな事もあったなぁ...

「どないした凛?」

「いいえ、何でもありませんよ」

「顔ニヤついてんで」

「あなたはバカですか。早く死んでください」


今日はちょっと飲み過ぎたかなぁ...


< 15 / 254 >

この作品をシェア

pagetop