俺様とネコ女
「ロックだろ?」と独り言のように言って、私の知らない銘柄の芋焼酎を2杯頼んだ。

「1軒目で結構飲んでたよね?ハンデあげよっか?」

「いらない。お前こそやるよ」

「何よ強がっちゃって」

「あ?クソガキ」

「ガキじゃないし。コウ何歳?」

「だる」

「酷いよね。年齢聞いただけでそれ?ダルいとかへこむ」

「へこんどけ」

「わかった!おじさんだから言えないんだ。言いたくないんだ」

プイと顔を背け、バーカウンターの向こう側のアルコールを観察する。確かにコウの言うとおり、芋焼酎の一升瓶がずらりと並べてある。

日本酒も然り。芋以外の焼酎も、カクテルのリキュール類も豊富で、最上段には高そうなウイスキーもある。

いくら私でも、さすがにウイスキーはガブガブ飲めない。ハイボールは得意だけど。
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