俺様とネコ女
ここのデスクの上は白一色でシンプルだった。物が少なくて、整理整頓されている。

ノートパソコンが開いてあって、画面が見えてため息が出た。AIチャットで、1人の残業の時間の潰し方を調べていたからだ。


「お前ふざけんなよ。人が一生懸命残業してんのに、何遊んでんだよ」

「だって。7時に終わるらしくて、それまで時間を持て余してまして…」

「だってじゃねぇよ。勉強しろ新人」

「ノート整理が終わったから。って言い訳だよね。ごめんね?アメあげるから」

一番上の引き出しを開けて、手前に入っていたアメを1つ取って俺に差し出してきた。


「アメなんか食わねえ。知ってんだろ」

「私も食べないんだけど、課長がいっぱいくれるの。たまに食べると美味しいんだよ」

ここが大きな目を細めて笑ったら、右の頬が、不自然にポコっと膨れていた。

「お前今食ってんの?」

「うん。でも凄く甘くて水飲みたい。ところでコウさん。久しぶりだね」


嬉しいよ、逢いたかったよ。とでもいうように、にこりと微笑んだここ。柔らかい風が吹くように、フワリと俺の中に入ってきた。
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