俺様とネコ女
「これ私の」


コウのパーカーを頭からスッポリとかぶる。出逢った日と同じ、メンズサイズの黒いパーカーに身を包み、眼鏡をかける。


ソファーにゆったりと腰掛け、嫌味なほど長い足を組み缶ビールを開ける無口な男。ロンTにスエットなのに様になる。さらに、湯上りの色気も腹が立つ。


「ちょっと。先飲まないでよ、私も飲みたい」

「無理」

「ズルい!」


ビールに惹かれながら料理を始めた。一切料理しないくせに無駄に対面のキッチンに立ち、ビールを煽る俺様男を盗み見る。


お揃いの眼鏡越しに目と目が合って。『なんだよ。見るな』って僅かに眉根を寄せられ同じようにやり返す。

一呼吸置いて、笑って。


「腹減った」

「ん、待ってて」


ダメだ。

大好きだ。
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