俺様とネコ女
もうコウとはいられない。


玄関ドアの鍵を開ける。勢いよく飛び出そうとした瞬間。


「ここ!」

コウに、強く抱きしめられた。


「離してっ。私、」

「俺もお前が好きだ」


え?


「コウ…」

「チッ」


コウを見上げると、目と目が合って、至近距離で舌打ちをされる。


「何逃げようとしてんだよ」

「だって、」

「お前泣きすぎ」

「だって、」

「ブサイク」


そう言ったコウは、とても優しい顔。いつも見とれてしまう、あのきれいな指先で、止まらない涙をすくってくれる。

「嘘だ。お前はいつもくそかわいい。もう泣くな」


優しい、優しいキスを、くれた。

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