俺様とネコ女
楽しみにしていたコウとのデートだから、気合い入れたメイクなのに、崩れて悲惨なことになっていて、さらには泣いたせいで目が腫れていた。

服を着て、コンタクトを外し、冷たい水で顔を洗う。目の腫れを抑えるために、ゆっくり、冷水で押さえる。


鎖骨の上で、白く輝くネックレス。しずく型の小ぶりなダイヤが、シンプルなのにかわいくて、私好みだ。

メイクを直し、髪の毛を整えた。


着替えを済ませたコウが入ってきた。シャワーしたいと呟いて、隣に立ち、眼鏡を外し顔を洗う。


「行くか」

「うん。ねえ、コウも眼鏡?」

「俺の目も休ませろ。コンタクト疲れる」

「確かに」


手を繋いで外に出た。足取りが軽い。スキップしちゃいそうだ。落ち着け私。


「コウ。プレゼントありがと」

「ああ」

「あれ?とある考えが頭をよぎったんだけど。私の思い違いであって欲しいんだけど。これ、首輪じゃないよね?」


ははっ。珍しく、声を上げて笑うコウ。

このやろう。



「さすがだな。お前、俺のことよくわかってる」

「ちょっと。本当に首輪?ひどすぎる」

「ここ。それは俺の独占欲の表れだ」

「ん、それなら許してあげる」


たとえこれが、ただの首輪でも、嬉しい。コウが贈ってくれたものだから。

このネックレスが、まさかの最高級宝飾ブランドのものだと知って絶句したのは、数時間後、ご機嫌で家に戻ってからのこと。
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