俺様とネコ女
月曜の朝、コウが出勤した時間を見計らって、コウの家に帰った。

結局、美咲のマンションに2泊した。


コウには会えない。いつも通りになんかできっこないし、秘密を守る自信がない。


不安なまま出社した。1課の前を通っても、コウの姿は見えなかった。

いつもはコウに会えないのが寂しいのに、今日はホッとする。


仕事に没頭した。コウのこと、一瞬でも考えないように。


「上野ちゃん。2番にダーリンから電話」


ちょうど昼食のため、社員食堂に行こうとした時だった。

タッチの差で内線を取った課長が、受話器を置いて、両手でハートマークを作る。


コウ?違う。職場で、ダーリンと言えば直哉さんだ。

直哉さんからの電話なんて、どうしたんだろう。


もしかして、コウに何かあったのかもしれない。



「お電話変わりました」

『お疲れ。こころちゃん今夜ひま?』

「お疲れ様です。ひまだけど…」

『よかった。飲みに行こう』

「え?」

『こころちゃんは定時だよね?俺も定時であがれるように頑張るから、正面玄関前で待ってて。じゃあね』
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