俺様とネコ女
息を止め、湯船に潜る。


苦しい。コウ、苦しいよ。


湯船から顔を出し、はあはあと、大きく空気を吸う。

私、何やってるんだろう。


「ここ?」


いつになく遠慮気味なノックの後、コウが顔を覗かせた。


「お前、1時間以上経ってる」

「そんなに?ごめん、」

「出てこい。拭いてやるから」


体を拭いてくれた。服を着させてくれて、髪を乾かしてくれる。


「辛い?」

コクンと頷く。


「もう寝ろ」


また頷く。


いたわるように手を引いて、ベッドに連れていってくれる。

横たわると、布団を掛けてくれる。


大丈夫かって心配してくれて、こめかみに、そっと唇を落としてくれる。

コウの優しさが辛い。

コウがいなくなると思うと辛い。


私はいつのまにか眠ったようだ。後ろから、私を優しく包むように眠るコウ。


こんなに愛情と安心を与えてくれるのに、胸が痛む。


午前6時。


"美咲の家に泊まります"とメモを残して、静かに部屋を出た。


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