俺様とネコ女

「ねえ、子ども欲しい?」

「いや、まだいい」

「あのー。言いにくいんだけど、私、子ども苦手。どう接したらいいかわかんないし、知らない人の子ども見て、や~かわい~って触ろうとする女、嫌いだな」

コウはなにも言わず微笑んでいる。


「更に暴露するけど、歩くたびに音が鳴る靴あるでしょ?ピッピッかキュッキュかしらないけど。あれ無性にイライラする。こんな女でごめん」


コウが笑う。小馬鹿にしたように目を細め。


「俺が子ども好きに見えるか?」

「見えない」

「でも、俺らの子なら愛情を注げる。絶対かわいいに決まってるだろ」

「そんなこと言うコウがかわいい」


頭を撫でようとしたら、寸前で掴まれ撃沈。掴まれた手は、カウンターの下で組み替えられた。しっかり絡んだ指先から、気持ちが伝わらないかな。

コウとは気が合うから。

気が合うからこそ、お互いのことを何でもわかってるなんて、おごってしまう。


子どもは授かりものだし、私たちにはまだ早い。

私たちも、まだまだ始まったばかりだから。

もっともっと、これからだから。
< 317 / 337 >

この作品をシェア

pagetop