俺様とネコ女

「失礼でしょ。私は感動したよ!」

「ダルいお前」

と、ここでマスターがお客さんに呼ばれた。

「コウくん。お邪魔だろうからあっち行っといてあげる。帰る前にはお別れのハグしたいから声掛けて。じゃ、引き続き、愛をささやいてあげてね」

「ささやかねえし。そもそもささやいてねえし」


マスターはコウの失礼な発言に、ニコニコしながら仕事に戻った。引っ越す前に、もう1回来れないかな。


「もう芋のお店って言うのやめた。こころのお店って言う」

「何?自分の店?」

「ニヤっとしないでよ!」


あ。出会った日、コウは何でこのお店に連れてきてくれたのか。

私が飲みたいと言った芋焼酎の種類が多いだけじゃないかもしれない。


「なんであの日、このお店に連れてきてくれたのか、わかったかも」

「へえ」


否定されない。やっぱり。
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