俺様とネコ女
「ねえマスター。このお店なんていう名前なんですか?表に看板出てないし、」

マスターが、レジ付近を指差した。スツールを反転させて後ろを振り返り、その指の延長線上を目で追う。

「あそこに小さく掲げてるんだよね」


そこにあったのは、下からスポットライトが当てられた、流れるような字体の、真っ白な文字。



”心言葉”


「こころことば?」

「そう。心に残る言葉でも、心温まる言葉、心にしみる言葉、心に響く言葉でも、人それぞれ、どう思ってもらってもいいんだけどね。俺の好きな言葉。こころことば」

「くさい男」

振り返りもせず焼酎を飲み続けるコウ。鬼かおい。
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