Classbook





季節は何もしなくても変わっていくもの。

私の意識というものは何も変化がないまま季節が流れていく。

時がすぎるなら、自分自身にもへんかがほしいんだけど。

そう簡単に変化はない。

今は、夏。

夏休みも目前に迫っている。

うなだれるほどの暑さに私はここ最近やられている。


「南―」

「…」


どうも、私は名前よりも苗字で、呼ばれることが多かった。

女の子にも苗字で呼び捨ての方が多かった気がする。


「南、起きてるか」

「…起きてますよ。失礼な」


今、話しかけてきたのは袴田君。

袴田君とも、高校2年になったばかりのころは全くしゃべらなかった。

…席が前後だったのにも関わらず。

もともと男と話すのは苦手だったんでしょうがないんですけどね。


「南―起きてるんだったら。ここ教えて」


「えー」


そういって、渡されたのは生物の宿題のプリント。

私は生物は一応できる。

特に遺伝っていう分野は。

そこはホントに大好きに近くて、テストでは100点を取るくらい。

文句言いながらも教えてあげる私って偉い~

理解してくれないとイライラするけど。

袴田君もそこまで頭の悪い人間ではないから大体説明するとわかってくれるから助かる。




< 18 / 117 >

この作品をシェア

pagetop