Classbook
「南、行くよ」
「…」
手をつかまれ、店についている駐車場に連れていかれる。
抵抗したくても体は言うことを聞いてくれない。
私が抵抗することよりも、袴田君が私を引っ張る力の方が強すぎるのだ。
…手が痛いです。
切実に。
絶対に赤くなってる。
確実にー
もー袴田君のせいだ。
駐車場にあったエクシーガ
「…ほら乗って」
「…」
黒のエクシーガに乗せられる私。
…なんで、こんなに素直に乗ってしまっているんか。
あーあー。
何やってるんだか私は
無言で、エンジンをかけだす袴田君。
なんだか居心地が悪いんですけど、ものすごく。
車は無言で動き出す。
音楽も何もかかっていないこの状況。
…つーか
「これ、どこに向かってるんですか?」
進み始めた方向は確実に私の家がある方向ではない。
…いったいどこに向かっているのか。