兄貴がミカエルになるとき

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新入生は家族についてレポートを5枚書くようにという指示があり、それは家族の感想であっても実態であっても家族愛であっても、なんでもよいから自分と家族との関わりをまとめろというものだった。

私はとりあえず家族の思い出をたどってみようと、キャビネットから昔のアルバムを引っ張り出した。

私の赤ん坊の頃。

猿みたいで全然かわいくないけど、パパとママとトオ兄が私を囲んで微笑んでいる。

トオ兄の膝に乗って笑っている写真、トオ兄にほっぺをチューされている写真、桜の木の下でトオ兄と一緒におにぎりをほおばる写真,
トオ兄に手をつながれている写真。

アルバムには私とトオ兄2人で撮られた写真がたくさんあった。

私が赤ん坊の頃からトオ兄は面倒見の良い兄だったらしい。

他にも入園式や入学式、海水浴にハイキングなどの家族旅行の写真に文化祭や遠足、運動会など学校の行事で撮ったもの。

誕生ケーキを囲んだ食卓やら庭で花火をしているものなど、家で撮った写真も多い。

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