兄貴がミカエルになるとき
優しいんだか感じ悪いんだか、機嫌が悪いんだかよくわからないけど、一応心配してくれているらしい。

「じゃあ……」

「なんだ?」

「喉が渇いたから……」

「なんだ?」

うーん。声のトーンからすると明らかに怒っている。

「あ、いい。自分で下まで取りに行く」

威圧感にビビって体を起こそうとすると、上から肩を押さえつけられた。

やはり怒ったようなトオ兄の顔が真上に迫っている。

「何が欲しい? 水かジュースか麦茶かサイダーか」

スウィートとは程遠い威圧的な声音でリクエストを訊ねてくれたものの、返事も聞かずにさっさと部屋を出て行き、入れ替わりにパパがモンモンを連れて部屋に入ってきた。
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