兄貴がミカエルになるとき
学園に行くと、3週間ぶりに会った久美ちゃんは真っ黒に日焼けしていて、美奈ちゃんは対照的にまるで夏の日差しが肌に触れなかったかのように白い。
「2人で並んでいると、違う季節を過ごしてきたみたいだね」
「私はバレー部の合宿に行って、プールに行って、海に行って、外にばかりいたらこんなに焼けちゃった。人より吸収がいいからあっという間に黒くなっちゃうんだよ」
そう言って焼けた肌に白い歯をのぞかせた。『夏の少女』と題した写真に残したいほど、はつらつとした夏感にあふれている。
それに比べて美奈ちゃんは、アンニュイなムードに包まれていた。
「お休みだからついつい、毎日明け方まで読んじゃって……」
ふぁーっとあくびをしたまま、つぶらな瞳が今にも閉じてしまいそうだ。
生徒はみんな学園に来ていても、あくまでも夏休みのゆるゆるした雰囲気が漂っていた。
それを、「あら、ちょっと会わない間に、また季咲良さんたら成長しちゃったんじゃない?」という、甲高い声がぶち壊した。
振り向くと、リカコが例のごとくブー・フー・ウーのお供を連れて笑みを浮かべて立っていた。
「2人で並んでいると、違う季節を過ごしてきたみたいだね」
「私はバレー部の合宿に行って、プールに行って、海に行って、外にばかりいたらこんなに焼けちゃった。人より吸収がいいからあっという間に黒くなっちゃうんだよ」
そう言って焼けた肌に白い歯をのぞかせた。『夏の少女』と題した写真に残したいほど、はつらつとした夏感にあふれている。
それに比べて美奈ちゃんは、アンニュイなムードに包まれていた。
「お休みだからついつい、毎日明け方まで読んじゃって……」
ふぁーっとあくびをしたまま、つぶらな瞳が今にも閉じてしまいそうだ。
生徒はみんな学園に来ていても、あくまでも夏休みのゆるゆるした雰囲気が漂っていた。
それを、「あら、ちょっと会わない間に、また季咲良さんたら成長しちゃったんじゃない?」という、甲高い声がぶち壊した。
振り向くと、リカコが例のごとくブー・フー・ウーのお供を連れて笑みを浮かべて立っていた。