兄貴がミカエルになるとき
いや、そうじゃなくて。

なんでそんな綺麗なイメージが湧いてくるんだ。

あ、だけど言われてみれば一反木綿という名前自体は確かにきれいかもしれない、なんて考えながらも「だから一反木綿はお化けなんだってば!」と、もう一度説明する。

本当なら嬉しいはずの例えを否定して、ムキになって「お化けだ」と強調するのも切ないが、ここはなんとしてでもモデルという印象から離れてもらわなくてはならない。

三品君の返事はない。なので、もう一度「だからね、私がモデルなわけないでしょ」と念を押した。


「ねえ、友達になろうよ」

「え?」

しつこく説明した一反木綿の説明は、軽くスル―されてしまったようだ。

またもや突然の直球に押し倒されそうになるのをどうにかこらえた。

「洋服の上から体のラインがわかる人なんていやだ」

「しょうがないじゃん。そういう環境の家なんだもん」

そういって三品君は私の体全体を斜に眺めて「187センチの78・56・82、てな感じかな」とつぶやいている。

ぞくっとした。そして彼が次に発した言葉で私の頭は完全に機能不全に陥った。
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